禁断の恋はじめます

「俺の父親が…殺した人の
奥さんと出会って…
その人の手を借りて……
その人と契約したんです。」


「契約?」
先輩は腕組をしていた。


「なんかね…ﾊﾊﾊ…
その人は…裕子っていうんだけど
夫を殺した俺の父親に
片想いだったって……
だから…父親にｿｯｸﾘな俺に…
抱かれたいって言ったんです。
裕子は何度俺が　抱いても…
俺じゃなくて父親を想っている。
おかしな愛情ですよね……。
俺も生きて行くためには
裕子のところにいるしかなくて…
あとはもう夜の世界に
飛び込むしかなかったから……
酒のんで　吐いて
女抱いて　絶望して…
もう二度と誰も愛せなかった。
胃の調子の悪さは　不規則な
生活のせいだと思ってたし
なんていっても病院嫌いだから俺…
ずっと避けてたんだけど
どうしても辛くて…
病院行って点滴するって言われて…
騒いで…そしたら…
注射の達人を呼ぶって言われて
朱奈に
再会してしまったんです。」



先輩が大きなため息をついた。