禁断の恋はじめます

「皮肉にも俺と朱奈は
血が繋がってなくて…他人なことを
知った時は もう遅かった。
先輩…俺はね…
殺人犯の息子で…母親は悲観して
俺を親友に預けて自殺したんです。
そして俺はこの池端家の
長男としてあたりまえのようにして
愛を一身の受けて…可愛い妹ができて
幸せに暮らしてた・・・。
自分の身の上を知った時
禁断を破って妹を愛してしまった
罰だと思った。
誘いを受けていたJのチームも
それを知って断ってきた。
朱奈を忘れるために 逃げた俺への
もうひとつの罰だと思いましたよ。」


先輩はジッと俺を見ていた。


「もうこれ以上
愛してくれた池端の両親に
迷惑をかけてはいけない
そして自分の身の上を知った時
朱奈にふさわしい人間じゃないと
思い知りました……。
ここにいてはいけない人間だと
葛藤しました。」


不覚にも涙が溢れて来た。


「あの時の…俺は…本当に
地獄でした……。
もう自分には…未来も見えなくて…
この家を出て行く時……
本当にもう…
死んでもいいと思ったんです。」