「朱奈…もうたくさんもらったよ。
とうさん かあさん 妹……
あたりまえだった家族という
あったかい毎日 たくさん愛を
もらったよ。俺……。」



「啓吾がいなくなって……うちらは
太陽を失ったの。
今の家族はあのあったかい家族じゃない。
壊れかけてる…。
バラバラになって……
あんなに毎日笑っていたのに
家の中は啓吾を失って
全部失ったの。
私じゃダメなの……。
お願い…一度二人に
顔を見せてあげて……。」

私は啓吾にわかってほしくて
必死に訴える。



「こんな俺
絶対に見せたくないし
知られたくない……。
とうさんやかあさんを悲しませたくない。」



啓吾はかたくなだった。


「本当は朱奈にも
絶対見られたくなかった
今の俺……。」


足の先まで凍りつくくらい
寒さが身にしみる。