家からは

「おかえりなさい」の声も
聞こえなかった。


「誰もいないの?」


「二人とも働いてるから…」


白い壁が冷たそうに感じた。


島田くんの部屋は

玄関の近くにあって
部屋に入ると



もっと冷たそうだった。


殺風景な部屋


啓吾の部屋には
サッカー選手のポスターが何枚も
飾ってある。


ベットカバーも
私と色違いのカーテンや
イスのカバーも

ママの手作りで
啓吾の好きな

黄緑色で統一されている。


ちなみに私はオレンジ


島田くんの部屋は
薄いベージュで
まるで病院のようだった。



「ジュース取りに行くから
一緒に来て。」


島田くんの後をついて


螺旋階段を登った。



「リビングが二階なんて
おっしゃれ~~だね。」


冷たい家に
似つかわしくない
大きな声で私は叫んだ。