兄妹という関係を呪った日々だった。
いつも俺の後をへばりついて離れなかった
小さな妹が


とうとう他の男にとられてしまった。


いつかは来るだろうと
覚悟していたけど…それはやっぱ
簡単には片づけられなかった。


その相手も俺のよく知っている人間で
めっちゃカッコいい男で
人望も厚く
俺とは正反対の先輩で
俺のもっていないオーラを発している人だった。


サッカーではよく小学校の頃から
戦う事が多くていっこ上の年代では
トップクラスのスキルを持っていて
市の選抜でも活躍していた。


「おまえの応援団…可愛いな~
いつも家族が来てくれててうらやましいな。」

先輩は俺の顔を見るとそう言った。


「帰ったらダメ出しされるから
俺は迷惑なんだけど。」
そう答えたことを覚えていた。