禁断の恋はじめます

それからしばらくした日曜日だった。
家の電話が鳴って
ママが出て明らかに声のトーンが変わった。



「あ…はい…いえ…それは困ります……。
……すみませんけど…そういうことで……。」


途中で切り上げる様に受話器をおいた。


「何?」啓吾が聞いた。


「あ…なんかね……一度断ったんだけど
しつこいのよ……。話なんか聞くんじゃなかったわ。」


ママはそう言うとキッチンで洗い物を始めた。


「かあちゃんお人よしだからだよ。
そういうのはさ向こうも必死なんだからさ。
最初殻断らねーとまたくるぞ」



「ほんとね…反省~反省~~
さ~~啓吾 朝練遅刻するわよ~」



「あ~~なんだ~もうこんな時間!?」


啓吾は立ちあがって洗面所に向かって
走りだした。


その姿をママが複雑な表情で見てる。


「なんかあったの?ママ……。」


ママは悲しく笑った。
私は心臓が縮まった。