禁断の恋はじめます

「キャーーーーーッ!!!」

私は一気にパニックになった。



「朱奈~~こっちだ~~」


「え??」


私が慌てていると
広場に勇樹が立っていた。


「こっち来い~~!!!」


私は勇樹に向かって全速力で走った。


でも犬は立ちあがって
向かってきた。


「殺される~~~」


私は腰が一気に抜けて
その場で走ることもできなくなって
転んでしまった。


「勇樹~~~ぃ!!!」


私はもうダメだ…と目を固くつぶった。



その後聞こえてきたのは
犬の恐ろしい声と
勇樹の威嚇する声だった。


私は恐ろしくて頭を抱えて
震えるばかりだった。


後からたくさんの声がして
それから犬が


「キャン!!!」と高い声を出して
それから後が騒がしくなった。



「助けて~~~~ぇ…」

もう私はパニックで泣くしかできない。


私の肩が優しく叩かれた。

「もう…大丈夫…ハァ…ハァ…」

息を切らした勇樹の声に私は
思わず抱きついて大泣きしてしまった。