「見られてないとでも思ってたの?
丸見えよ。」


「あれは・・・」


「もういいよ、そんなことどうでも。
私の気持ちは本気だから。」



亜由美ちゃん・・・


「彼はね、とってもやさしいのよ。
盗んだお金は施設や老人ホームに寄付してるの。
介護用のベッドや車椅子だって送ってるわ。」


噂は本当だったんだ・・・


「でも、盗みには・・・」


「いいじゃない。
どうせ政治家や官僚の黒い金じゃない、
何が悪いの?」


「亜由美ちゃん・・・」


「私は負けないわ。
あなたには負けない!!」


亜由美はまっすぐ真菜を見た。