「千尋?昨日の夜あなた出かけるって言ってなかった?

時間、大丈夫なの?」

「……ん、え…?

お姉ちゃん今何時!?」

「え…?あ、えっと、
もう10時だけど?」

ヤバイッ…!!
寝坊しちゃった…!
うぅ―………
ご飯はいいや!
服、昨日のうちに出しといてよかった―!

「…それさ、
私のミニワンピ
なんだけど…さ…。」

「ゴメン!
お願い貸して?」

「まぁ…いいけど。」

「ありがとう!」

そういうと、
なんか茶化すかの様に
笑ったお姉ちゃん…。

「なになに?
もしかして、デート?」

「ち、違うもん!
友達と遊びに行くの。

…じゃあ、
いってきまぁす!」

「いってらっしゃい。」


はぁ…はぁ……まだ、
待っていてくれるかな?


10時……45分
完璧に
かなりの遅刻………。
やっぱり…待ってなんか
いてくれないかな?
所詮、昨日ちょっと
助けてあげたようで
全然知らない女のことなんて…

待つ人なんかいないかな?
こんなに遅刻して…。

そう思いながらも、
体は頭とは反対に
約束の場所へ
向かっている私……。

桐谷、俊哉さんは…



約束したそこには、




いなかった…………。