葵は思い出し笑いがなかなか止まらなかった。

やっとおさまると、葵は夕焼け空に目を細めた。


「伊織」

「はぃ」

葵は急に真剣な顔をした。

なんだろう??


「あの子、晴輝クンの彼女じゃなかったわけだし、そろそろ本気ださなきゃね」

「本気って」

「ホントの」


アタシの言葉を遮るようにして葵が言った。


「ホントの伊織を、晴輝クンに見せるんだよ」