レイが第一部隊に入隊して一年が経った。この一年は教会も街も穏やかで、そんなに大きな事件もなく、優しい詩織の下で毎日楽しくやっている。
詩織の傍にいると日に日に、詩織の部下で良かったと思う。
第一部隊隊長室で書類の整理をしていると、詩織が手紙を見ながら声を上げた。
「ほー、凄いな」
「どうしました?」
詩織は手紙をレイに見せ、
「史上最年少の隊長が現れたらしい」
「幾つなんですか?」
「二十歳だそうだ」
「それは凄いですね」
隊長になるには多くの功績を上げマリアの推薦を貰い、厳しい試験に合格しなければならない。試験の内容は分からないが、合格率五パーセントだと聞いた事がある。
詩織も当然試験を受けたが、一度落ちたと言っていた。


