夏季が会場に戻ると当然コンサートは始まっていて、夏季の出番の時間も少し過ぎていた。
聖歌隊のリーダーにどこに行ってたのかとしつこく聞かれたが、夏季はそれを無視して舞台へと上がった。
マリアにナンバーズ、そして五百人の観客。それらが一斉に夏季に視線を浴びせる。
大勢の人の目を受けているが、夏季は自然と緊張も動揺もなかった。雪乃の事は心配だが、なぜだか今は心が落ち着いている。
夏季の中に流れる静かな気持ち。それは清々しいとさえ思えた。
私は今、歌う為にここに立っている。
夏季は静かに息を吸った。
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