マリア教会

後悔に押し潰されそうな夏季に、詩織は真っ直ぐ見つめて言った。
「歌え」
「……」
「それが、夏季が雪乃にしてやれるただ一つの事だ」
泣きそうな詩織。手を強く握りしめ、必死に何かと戦っている。
その何かは、何となく夏季にも分かる。
夏季は雪乃が戦っている部屋の扉に、強い眼差しを向けた。
「雪乃…待ってて」
雪乃が好きだと言ってくれた歌を、私は全力で歌う。
雪乃にも届くように。