マリア教会

「雪乃!」
雪乃の部屋に飛び込むと、中には詩織と、白衣を着た医者らしき初老の女性がいた。
そして、雪乃はベッドの上で横になっており、その顔色は昨日と違いあまり良くなかった。
突然入って来た夏季に詩織は驚いていたけど、そんな事構わず夏季は雪乃の側に行く。
雪乃も夏季が来た事に驚いたようで、ベッドの上で身を起こす。
「夏季…。どうして…コンサートは?」
「そんなのどうでもいいよ。それより…何で雪乃…」
すると雪乃は、初めて夏季に厳しい眼差しを見せた。
「夏季、会場に戻って」
そう言われたが、こんな時に雪乃をほったらかしに出来ない。それに、こんな雪乃を見て歌えるはずがない。
夏季も厳しい表情を浮かべ、
「どうでもいいって言ってるでしょ!そんな事より今は雪乃だ!」