マリア教会



いよいよコンサートを翌日に控えた前夜、夏季は部屋で詩織とお茶を飲んでいた。
「いよいよ明日か…」
呟いた夏季に詩織が笑って答える。
「緊張して寝れないか?」
「ううん。眠いよ。緊張もしてない」
「ずいぶんと余裕だな」
「余裕ではないけど、気持ち的には楽な感じかな」
そう言いコーヒーを飲む。
雪乃が「大丈夫」と言った通り、やっと自分の歌いたいように歌えて夏季の心は安心している。
詩織も久しぶりに夏季の笑顔を見て嬉しそうに笑う。
「じゃあ明日は無事に成功するな」
「うん!」
声も体調管理も完璧。遅刻さえしなければ気持ち良く舞台に上がれるだろう。
明日のコンサートには雪乃と詩織も見に来てくれるって言ってたから、きっと頑張れる。でもあんまり気張らず、自然体で舞台に上がろう。そして、最高の歌を歌おう。
きっと、雪乃は褒めてくれる。