マリア教会

夏季を連れて教会から逃走しようとしているのは罪だと認める。だがそんなものは教会から一歩外に出れば罪でも何でもない。
マリアはレイラをじっと見つめ続け、軽く息を吐いた。
「夏季はあなたを救ったんですよ。彼女の行為を無駄にするつもりですか?」
「…あんたに何が分かる」
だいたい夏季が私を救ったって、私と夏季が隠れて会っていた事をマリアは知らないはず。詩織がばらしていたらもっと早く引き離されていただろうし、詩織もそこまでしない。なのに何でそんな事を言う?
マリアと同じように見つめるレイラ。マリアは懐から四つ折りにされた紙を取り出し、それをテーブルの上に置いた。
「夏季から手紙を預かっています。あなた宛です」
何で夏季が手紙なんか…。
一瞬手紙を開くのが怖かったが、レイラは手にとり開いた。そして、読んでしまった事を酷く後悔した。