マリア教会

親友を止める事が出来なかった詩織は、ベンチに座り込み頭を抱える。
「馬鹿…」
お前がマリアの所に行っても、夏季と教会から逃げる事なんて出来ない。お前はまた重いものを背負わされて、孤独の時間が延びるだけだ。なのに何で…。何でレイラも夏季も、私の前から消えようとするんだ。何で私の大切な人達は私を置いて行く…。
「隊長…」
部下のレイが詩織を心配して来た。
「レイ…私は何を守ればいい…」
親友を止める事も、昔からずっと傍で見て来た夏季の寂しさを埋める事も出来ず、私は何を信じて動けばいいんだ。
自分の非力さを憎みながら頭を抱える詩織に、レイは何も言わずただ隣に座って詩織を抱きしめた。
レイですらどうする事も出来ないという事か。
この世に本当に神と呼ばれる者がいるなら、どうか私の願いを聞いて下さい。
あの二人に光を照らしてあげて下さい…。