マリア教会

「もう夏季には傷付いてほしくない…」
とうとう詩織はその場に座り込んでしまった。下手したら泣いてしまいそうなほど、詩織は小さい。
レイラはへたれている詩織に付き合ってられず、詩織に背を向けた。そして、最後に一言だけ言い残す。
「逃げてばかりじゃ守りたいものも守れないわよ。隊長さん」
詩織がどう思ったのか分からないが、私は自分の守りたいものは自分で守る。
たとえそれが無謀な事でも、私にはもう失うものなんて何もない。
地獄なら昔に見たし、怖いものなんてない。あるとすれば、夏季を失う事だけだ。