今日は雨の音で目が覚めた。
昨日まで青空が続いていたのに、今日の空は暗くてどんよりとしていた。
「泣いてるの?」
空で悲しい事でもあったんだろうか。夏季と話すようになったからだろうか、レイラも空の人達の存在を気にするようになった。
朝起きてまず窓から空を見上げる。それがレイラの一日の始まり方。
空の人達の事を考えて見ると、案外空は桜の花より美しく、切ない。
レイラの自由になれる時間が来たが、夏季はいつもの場所にいなかった。雨も降っているし、今日は外に出て来ないか。
そう思ったがレイラは夏季を探した。雨が降った時の待ち合わせ場所なんて決めてなかったけど、夏季はどこかにいる気がした。というよりも、レイラが夏季に会いたかったのだ。


