マリア教会

「レイラさんは咎人なんですか…?」
「そうだよ」
夏季と出会って思い出した笑顔を見せる。今日で夏季とお別れかもしれない。
レイラが咎人と知ってしまったから、明日からは夏季も私を咎人として見るだろう。寂しいが、夏季と過ごした時間は咎人になって初めて楽しいと思えた。
夏季には未来がある。それを私のせいで潰したくない。
まだ早いがレイラが部屋に戻ろうと思った時、夏季が口を開いた。
「毎日神に祈りを捧げてるんですか?」
それはレイラにとって意外な質問だった。
普通は何で咎人のレイラが声をかけて来たのか、なぜ罪を犯したのか聞いて来るはずなのに、なぜそんなどうでもいい質問をして来たんだろう…。
そう思ったが、レイラは夏季の質問に答える。
「ううん。面倒くさいし」