次の日、夏季は同じ場所で大切な人が眠る空を見上げていた。
レイラも昨日と同じ時間そこへ行った。
「今日も空は笑ってるね」
レイラが声をかけると夏季はチラッとこちらを見ただけで、またすぐに空を見上げる。
そんな夏季にレイラは特に気にせず彼女の隣に腰を下ろした。
空は快晴。空は気持ちいいぐらい晴れているが、夏季の表情は晴れない。
彼女はこの空を見ながら何を思っているんだろう。心の中で天使に語りかけているんだろうか。
レイラの夏季に対する思いは尽きない。
晴れの時は笑うと表現した天使だが、なら雨の時は?ふと疑問に思ったレイラは独り言のように静かに声を出した。
「雨が降ればキミは歌うのかな?」
何気なく口にしたレイラを、夏季は少し目を見開いて見て来た。


