マリア教会

その背中をレイラの軽い声が追う。
「せっかく親友が声かけてんのに無視すんの?隊長になってから変わったねー」
その言葉に詩織は立ち止まり振り返ったが、その顔は怖かった。学生の頃には考えられない鋭い眼差し。大きな威圧感。レイラを咎人と認識している雰囲気。
「変わったのは私か…」
詩織の優しい笑顔はもう私には見せてくれない。
寂しさと罪悪感を感じながらレイラは口を開いた。
「ちょっと聞きたい事があるんだけど」
詩織は無視するかと思ったが、周りに人がいなくなった事を確認し、
「何だ」
守護隊隊長として教会の掟を守るのは当然の事だが、根が優しい詩織は返事をしてくれる。こんな時私は、とても大切な親友を失ってしまった事を後悔する。