窓から見える桜はとても綺麗に咲き誇り、風に吹かれその花びらを一枚一枚地面に落としていく。
昔、誰かが桜は散り始めが一番美しいと言っていたが、そんな事はない。桜は全てが美しい。短い間だが、桜は見る者の心を虜にする。年中咲いてるわけではないから、余計に美しく、儚く感じる。
レイラは窓の側に置いた椅子に座り、桜の木を見続けた。
レイラが咎人と呼ばれるようになって五年。
咎人になってからは、レイラは決められた時間以外部屋から出る事を許されず、人と話す事も出来ない。あるナンバーズの側近にいた頃と変わらないが、変わったのは咎人と呼ばれるようになった事と、あの頃よりはマシと思えた事。
私は誰にも干渉せず、誰からも干渉されない。孤独がこんなにも心地いいものだと思わなかった。