ナンバーⅥは明かりを点ける事もせず、レイラの前に立ちニッコリ微笑んだ。前までなら綺麗だと思っていた笑顔だが、今はその笑顔が悪夢の始まりのようで怖い。
そしてナンバーⅥの右手がレイラに伸ばされる。レイラはいつもの癖で反射的に目を閉じたが痛みを感じる事はなく、ただ左耳に違和感を感じた。
目を開けてみると、笑顔のナンバーⅥに、レイラの左耳にぶら下がるクロスのイヤリング。
「?」
レイラが疑問符を浮かべるとナンバーⅥは、
「今月はあなたの誕生日でしょ?だからそれは私からのプレゼントよ」
「……」
ナンバーⅥは私の誕生日なんて気にしてないと思っていた。ナンバーⅥはただ私がいればそれでいいのだから。