マリア教会



側近になって三年が経ち、レイラもいつの間にか二十歳になっていた。
相変わらずの生活が続き、詩織ともあれ以来会ってない。すごく寂しいが、詩織の為にも、自分の身を守る為にもそのほうがいい。
今日の仕事を終えて部屋に帰ろうとした時、レイラはナンバーⅥに呼び止められた。
「レイラ、少し私に付き合ってくれない?」
レイラは眉間に皺を寄せたが、逆らうと後々面倒なので声を出さず頷いた。
黙ってナンバーⅥに付いて行くと、ナンバーⅥはお御堂に行き扉の鍵を開ける。
なぜお御堂に?こんな所に用なんてないはず。
深夜のお御堂は昼間よりずっと静かで、神聖な空気を漂わせていて気持ち良かった。明かりは点いておらず、月明かりだけがお御堂を照らす。