マリア教会

部屋のベッドに腰掛け、レイラは長い息をつく。今日も無事に終わって良かった。
気苦労は半端ないが、暴力を振るわれるよりましだ。だが、レイラから笑顔が消えた事を、レイラは自分でも気付いていなかった。
その時窓を叩く音がして見ると、詩織がいた。
「詩織…」
レイラが窓を開けると詩織は部屋に入って来ようとしたが、それをレイラは止めた。変わりに冷たい声を出す。
「何しに来たの?」
レイラの様子に若干詩織は眉間に皺を寄せ、
「ナンバーⅦが、最近レイラの姿を見ないって心配してた。お前、大丈夫なのか?」
心配してくれてるという事は、ナンバーⅦも詩織もナンバーⅥに何もされてないのだろう。
良かった。
「大丈夫よ。大丈夫だから、私の事はほっといて」