マリア教会

レイラはいつの間にか泣いていたらしく、熱い頬に冷たい雫が伝う。
「Ⅵ…あなたの行動は異常です。私はあなたのものではありません。私はただあなたのお手伝いをするだけです…」
力のない声で吐き出すと、今度は腹を蹴られた。
「あっ…」
声を上げレイラはその場に崩れ落ちた。こんなに物音を立てても誰も来ないのは、レイラの部屋の周りの部屋が全部空き部屋だからだろう。こうなる事を予想してナンバーⅥはレイラにこの部屋を与えたのか。だとしたら、この女はとんでもない悪女だ。
咳き込むレイラの髪をナンバーⅥは無造作に掴み、無理やりレイラの顔を上げさせた。
「いいえ。レイラは私のものよ。私があなたを見付けた時から決まっているの」
「私を…解放して下さい…」