マリア教会

脳が、全身が逃げろとレイラに警告する。だがレイラに逃げる隙もなく、気付けばナンバーⅥに顔や腹を思いっきり殴られ、蹴られた。
ナンバーⅥは狂ったように五分ほどレイラを痛めつけ、やがて止まった。暴行を受けている間レイラは軽いパニックに襲われ、声も出せず必死に体の痛みに耐えた。
「ナンバーⅦに、私の側近を辞めたいと言ったそうね」
もう話したのか。いくらなんでも早すぎる。妙に冷静になっている頭でそんな事を思っていると、また顔を殴られた。そして、ナンバーⅥの低い声が寒気を感じさせる。
「あなたは私の側近のくせに私に恥をかかせた。今回の事は許せないわ」
なら、どれなら許してくれるというのだろう。