マリア教会

「あれほど言ったのに…また他の女と話したのね」
レイラは叩かれた頬を手で押さえ、震える声を吐き出す。
「なぜ…話してはいけないのですか?」
その瞬間また顔を叩かれた。叩かれた所だけ熱くなってくる。
「あなたは…レイラは私だけのものよ」
「……」
「私だけのレイラ…。他の女なんかに渡さない…近付けさせない…。あなたは私から逃げられない」
ナンバーⅥの全てが怖くなり、レイラは何も言う事が出来ず、何も考えられなかった。
これはただの独占欲なんかじゃない。この人の傍にいれば、私は自分を失ってしまう。
レイラは急に怖くなり、体の震えがいつまでも止まらなかった。