マリア教会

レイラは少女に笑顔を見せ、
「ありがとう。頑張ってね」
「はい!」
少女の気持ち良い返事を聞きながら、くれぐれも上司に気をつけてと、胸中で付け足して少女と別れた。
返事に戻って来てレイラは手にしていた袋に悩む。ちなみにナンバーⅥは外出中で部屋にいない。
「見付かるとマズイかな…」
まだナンバーⅥの事をよく分かってないレイラは、とりあえずクッキーを自分の机の引き出しに隠そうとした。その時、部屋の扉が音もなく開かれた。
「レイラ」
「!」
ビックリして振り向いた時、不覚にも袋を落としてしまった。ナンバーⅥの前で…。
ナンバーⅥは一度袋に目をやり、レイラの頬を叩いた。バシンと、嫌な音が耳に響く。