マリア教会

教会で絶対的な力を持つマリアとナンバーズは「神」と呼ばれるほど。
咎人の名を与えるのもマリアとナンバーズだ。
「神の存在か…」
だがいくら神と呼ばれていても、普通の人間だ。社会的地位はかなり高いが、みんなが思う神ではない。そんな人達が一人の人間の自由を奪っていいのだろうか。人の心を救う立場の人間が。
夏季がボーッと考えていると、雪乃が隣から覗き込んで来た。
「夏季は神の存在を信じる?」
「え!?」
突然の質問に夏季は、しばらくどう答えていいか迷った。
教会に所属する者なら神に対する信仰心は強い。物心つく頃から教会にいれば毎日のようにシスターから神の言葉や神話を聞かされ、話しの最後には必ず「神はいます。神を信じれば必ず幸せになれます」そう言われた。