マリア教会



あれから数日が経ち、ナンバーⅥは出会った頃と変わらずレイラに接して来た。
本当にあれはただストレスが溜まっていただけかもしれない。詩織の謹慎も予定より早く解けたし、とりあえずは安心していいだろう。けど、レイラはなるべく人と接するのを控えていた。
ナンバーⅥのあの言葉が本気なのか怖くて聞けないが、詩織も被害を受けたし、大人しくしていたほうが平和だ。
だがそんな時に限って人が寄って来る。
「レイラさん」
呼び声に振り返ると、まだ高校生ぐらいの少女が近付いて来た。そういえば、今日は教会本部の中を見学出来る日だっけ。
主に学生を対象に、本部の中を見学させて将来どんな仕事に就きたいか考えさせる一つの課外授業だ。レイラの頃はなかったので、今年から導入されたのだろう。