マリア教会

詩織の心配そうにレイラを見る顔と言葉にまた泣きそうになった。自分が何かされても私の事を一番に心配してくれる。こんな時間に来たのも、私を心配して来てくれたのだろう。どこまでも優しい詩織が、大好きだ。
レイラは精一杯笑顔を浮かべ詩織を見つめる。
「ありがとう。ごめんね、詩織。大切な時期なのに…」
「気にすんな。復帰したらすぐに仕事任せるって隊長にも言われてるし。私の事は気にしなくていいから、レイラは無理すんなよ?」
「うん…」
レイラは詩織に頭を撫でられ、堪えられなくなって泣いた。
ナンバーⅥの嫌がらせや、詩織の謹慎処分の事ではなく、詩織の優しさが気持ち良く胸に広がり、安心してしまい涙が溢れた。
詩織はレイラが泣き止むまでずっと傍にいてくれた。