マリア教会

顔を上げる事が出来ないレイラの肩に、詩織がそっと手を置いた。そして顔を上げた先には詩織の優しい笑顔。
「レイラのせいじゃないだろ。それに隊長も気にしなくていいって言ってくれたし」
「……」
ナンバーⅥが第一部隊隊長になんて言ったか知らないが、隊長がいい人で本当に良かった。守護隊はナンバーズより地位が低いから、とりあえず話しを合わせてくれたのだろう。詩織はいい上司を持っていいなと、今は羨ましく思う。
こんな時まで優しい詩織にレイラは涙が出そうになったが、これ以上詩織に迷惑をかけたくなかったので我慢した。
そして詩織が唐突に聞いて来る。
「Ⅵの仕業だろ?」
真剣な表情を見せる詩織に嘘が付けず、レイラは正直に話した。