｢その入学式で、あなたは新入生代表で挨拶したわよね？｣
｢はい｣
｢その時にあなたを見て、あなたを欲しいと思った。簡単に言えば、一目惚れね｣
｢……｣
確かにレイラは代表で挨拶したが、言葉は噛みまくりで正直どのように挨拶したか覚えてない。そんな私に一目惚れ？
｢あなたは成績も学年トップだったし、側近に選んでも申し分ない働きをしてくれると思ったの。だから私は、あなたが学校を卒業するまで待ってた｣
たった一度見ただけの生徒を三年間待っていた…。
その間にも、側近になれる優秀な人がたくさんいただろう。なのにこの人はずっと私を待っていてくれた。
｢私じゃ不満？｣
ナンバーⅥの言葉にレイラは首を振り、勢いで立ち上がる。
｢そんな事ありません！頑張ります！｣
｢頼んだわよ｣
｢はい！｣
これでこの人に近付ける。
レイラは期待と歓喜で胸を踊らせた。