黙ってシスターに付いて行くと、特定の人しか入る事の出来ない教会本部に連れて来られた。
長い廊下に肌で感じる厳かな雰囲気。どう考えても卒業したばかりの子供が来る所じゃない。
慣れない空気にキョロキョロ周りを見ていると、一つの部屋の前でシスターが止まった。
「この奥でお待ちですよ」
「ちょ…シスター?」
扉のプレートに思いっきり『ナンバーⅥ』って張られてますけど?
ナンバーⅥ…教会の幹部集団――ナンバーズの一人。神と呼ばれる人が私に用なんてあるのか。もしかして私の知らない所で、私が何かしたのか?
一気に動揺と緊張に襲われるレイラに、シスターが静かに呟く。
「今日からあなたはナンバーⅥの側近になるんですよ」
「私が!?」
思わず大声で叫んでしまった。