こんな所誰かに見られたら…。いや、いつもはこんな事しない元帥が一体どうしたのだ。
元帥の温かさと、鼻をくすぐる優しい香りに動けないでいる小夜に、元帥がそっと呟いた。
「小夜も、無事で良かった…」
「……」
そして声が泣き声に変わり、元帥の腕に力が入る。
「ロザリから教会に連絡した時、小夜が撃たれたと聞いて…。皆は無事だって言ってたけど、自分の目で確認するまでは怖くて…」
ああ、元帥は本当に私を愛してくれているんだ。
私は、この人に逢わせてくれた神に感謝する。
小夜は元帥の背中を優しく撫で、
「心配かけてすみません。でも安心して下さい。私はずっと、あなたを守り続けますから」
「お願いよ」
上げた泣き顔に、小夜は満面の笑顔で返事をした。
この人はこんなにも私を愛してくれるのだから、これからは私が元帥に愛を返して行こう。
溢れるぐらいの、たくさんの愛を。
END.