マリア教会

「でもねぇ…」
「ちょっと!」
まだ話を続けようとしていたが、目の前の部屋からシスターが出て来たので止めた。変わりに微笑みを浮かべ、
「ごきげんよう」
決まりきった挨拶を交わし、二人はそのまま歩いて行く。
「……」
女は怖いなと思いながら夏季もシスターに挨拶し、お御堂へ急いだ。
その間、ずっと「咎人」という単語が頭から離れなかった。