死んだ人間には勝てない。詩織も、ルナの事を忘れる事はないだろう。
けど詩織は、こんな私を大切だと言ってくれる。詩織を照らせるのは私だけだと。
レイは詩織を見下ろし、
「隊長」
「ん?」
「隊長の命は私が守ります。隊長の守りたいものも」
「ああ…頼むよ」
例えこの命が消えようと、詩織の命も優しさも私が守っていく。
愛するこの人は誰にも渡さない。
暖かな柔らかい光が二人を包み込み、二人は微笑んだ。
「詩織!」
二人の元に夏季がやって来た。
「傷は大丈夫なの?」
心配する夏季に、詩織は寝転んだままヒラヒラと手を振る。
「こんなの何でもないよ。私は守護隊隊長だからな!」
「へー」
呟き、夏季は詩織が傷を受けた腹をバンッと叩いた。
「~~…!」
声にならない悲鳴を上げ体をくねらせる詩織に、夏季は白い目を向ける。