「危ないって」
「あたしが…男嫌いって聞きましたよね?」
「それが?」
「だから…車には乗りません」
「襲ったりなんてしないし、俺だって一応25歳の大人だぞ。常識ぐらいある」
「25!?…みえない」
「よく言われる。背は高いのに顔は年齢より下に見えるって、てか寒いんだから乗りな」
「あたし車酔います」
「窓あけとけばいいじゃん」
花依は彼の車に乗り込みシートベルトをつけようとしたがなかなかつけれないでいる。
「かしてみ」
「…ありがとうございます」
至近距離で花依はどきっとする。
「はい、できた。…ん?どした?」
「…なんでもないです」
「じゃあ行くぞー」
このまま家まで送ってくれた。
車の中では自己紹介をし、花依は普通に話すことができた。
彼の名前は中山直樹(ナカヤマナオキ)25歳で居酒屋店員をしている。
人柄がよく誰からも人気がある。
直樹は花依に何かあったら電話かメールをして、と連絡先を紙に書いて渡した。
連絡したくなければ捨ててもいいからと言ってそのまま帰って行った。
