改訂版・時間よ、止まれ。






なんか、背中に変な汗かいてる気がする。





でも、この緊張を優祐に悟られてはいけない。






そう思って、私は静かにうつむいた。






「さおり?」



「ななな、何も思ってないから!」






ヤバイ…。



明らかに不審な発言した。。。







自分で自分の言葉を聞いてハッと気付いてしまったけど、優祐も同じように気付いたようで……







「ああ〜、分かった気がする〜。さおり何か吹き込まれたんじゃねえの?」



「いやっ、華恵に何か言われたとか、そんなんじゃないよ」



「犯人は佐藤か…」



「え!?何で分かったの?」



「…さおり、分かりやすすぎ」






そこまで言うと、優祐は足をずらして私から少し距離をおいた。






「俺、今日はホントにさおりと勉強したくて誘っただけだから」



「うんうん、そうだよね。だから、勉強しよ?」



「ああ…、そうだな」






そして優祐は数学の問題集を取り出して、ペラペラとめくり始めた。





それを見て私も、カバンから数学の問題集を取り出した。