「あ…、ごめん。すごくびっくりしちゃって。すごいね。おめでとう」
「ありがと。やっぱいいね♪彼氏のいる夏休み」
「だよねー。受験生じゃなかったらなー」
「ミツルくん……、あ、市川くんのことね。ウワサ通りすごく頭が良くて、勉強もかなり教えてもらってるんだ。これでミツルくんと目指せ志望校!だね」
「ねっ、ねえ。もしかして華恵、もう市川くんと……」
「えー?」
華恵は私の質問に最初、意味が分からない感じだったけど、私が真剣な目で華恵を見てると、やっと意味が分かったみたいで、ニッコリ笑顔を見せてきた。
「やだぁ〜。私とミツルくんのこと聞いちゃうの?まだ付き合ったばかりだから、何もないよ」
「あ…、そうだよね?ごめん」
「焦る気持ちは分かるよ、さおり。でも雰囲気的にダメそうだったら、ちゃんと断りなよ。そんな新井も強引にはしないでしょー」
「うん…、分かったよ」
「でも、ミツルくんとそんなことあったらな〜って、色々想像しちゃうよね。もし何か進展あったら、私に報告してよね」
「恥ずかしいなぁ」
「女の約束だからね〜」
華恵はニヤニヤと笑いながら、自分の席へと向かって歩いて行った。
そうか…。
優祐と……、キスとか!?
頭の中で想像してみたけど、誰にも私の想像を見られてないはずなのに急に恥ずかしくなって、私はうつむきながら小走りで自分の席に向かった。
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