適当にでもぼんやりと進路が浮かんでいる人達の方がうらやましいと思うなんて。
まだ昼下がりの、強すぎる日差しが差し込む教室で、私は両手で頬杖をついた。
「そういえば、優祐はサッカー強い学校書いたらいいんじゃない?推薦で拾ってもらえるかも」
「ああ…、前はそんなこともチラッと考えてたんだけど」
「…『前は』?じゃあ今は?何で白紙になってるの???」
「……あのさ」
急に真剣なまなざしで優祐がこっちを見てくるもんだから、私はびっくりして、頬にあった両手をそのまま机の上に下ろしてしまった。
「さおりとこうやって同じ学校の同じクラスでいれるのも、1年切ってるだろ?俺、日に日に思うんだよな。せっかく付き合ってるんだし、できるだけ一緒にいたいって」
ドキン…!
優祐の言葉に反応して、少しだけ鼓動が速くなった。
…優祐、そんなこと考えてくれてたんだ……!
「俺、中学卒業してもさおりと一緒にいたい。だから…、高校も同じトコ通いたい」

