何か少しホッとしたかも。
ずっと、新井の近くをキープしていた斉藤さんをうらやましいと思って見てたけど、今度はこの位置に私がいていいんだ……!
「俺もマジ良かったし。アイツ来てから、井上とあんまり話せなかっただろ?」
「えっ!?」
そ、その笑顔は反則じゃない!?
やばい、ちょっとドキドキしてきた……。
何かまだ、素直に新井と話すのって、緊張するかも。
思ってることポンポン言ってくる新井が、すごく余裕に見える。
「井上と話したい事、たくさんあるなぁ〜。スゲー夏休み楽しみ♪」
「うっ、うん……」
その余裕な笑顔が私をからかってるように見えて仕方ない。
もしかして、わざと…?
ちょっと悔しいと思いながら、私は新井の笑顔によってかき乱された心をただただ落ち着かせるために、一気にアイスミルクティーを飲み干した。

