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華恵のおかげで無事(?)、英語の授業もクリアできて、ようやく放課後がやってきた。
今日も一日が長かったような気がするけど、ようやく解放されたぁ〜〜。
帰りのHRが終わり、担任の先生が教室から出ていった後、私は自分の席で大きく伸びをした。
だけど…、担任の先生とほぼ入れ替わりに、『彼女』がうちの教室に入ってきた。
「優祐〜!一緒に帰ろ♪」
あっ、また斉藤さんだ…。
しかも、変にテンション高いような……。
私がもはや呆れたように斉藤さんの様子を見ていると、後ろから肩を叩かれた。
「さおり!帰ろうよ。今日は英語助けてあげたんだから、ジュースぐらいおごってもらうよ!」
「あ、華恵。ごめん、今準備するから」
華恵はバッチリ帰りの用意を済ませて私の側に立っていたけど、私はと言えば伸びの姿勢のまま固まって、さっきのHRで配られたプリントすら机の上に放置していた。
「…また斉藤さん新井のところにいるね」
「ねえ、あの二人付き合ってるってホント?」
「マジで!?だとしたら美男美女カップルだよね〜」
「斉藤さんじゃあかなわないよね。新井諦めようかなぁ」
とりあえず机の上の物から片付けようとしたら、不意にそんな女子達の声が聞こえた。
…クラスの女子の中でも、新井ファンだって有名な人達だ……。

