その時。
「…あの、私の、見る…?」
いつの間にか予習が完了していた華恵が、私達の前におずおずとノートを差し出してきた。
さすが華恵♪
私の親友!!
「「見るっ!!」」
…あれ?
今、完全に新井とハモってたような…。
「ちょっと、何で新井が華恵のノート見てんのよ?」
「緊急事態だろ?それに井上全然やってなかったし」
「全然じゃないでしょー?ちょっとやってたわよ」
なんか、こんな風に言い合うことすら、久しぶりのような気がする。
ここ数日、新井は斉藤さんとばかり話してたから。
いつも通りくだらないことの言い合いのような気がするのに、それが少し嬉しいと思っている自分が何故かいた。
こんな感覚、おかしいとは思ったけど、今はそんなことを悠長に考えている場合じゃない。
私達は仲良く(?)せっせと華恵のノートを書き写し、何とか授業が始まるギリギリで、予習が完成した。
こんな私達の姿、ちょっと情けなかった気もするけどね。
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