「でも良かったじゃん。あっ、もう下山するために並び始めてるみたい!じゃあね、さおり。また下山したらね〜」



「うん。またね!」



「あ!!さおり!」



「えっ?」





また私達の1班から下山だから、私は慌てて列に並ぼうと思ったら、華恵に呼び止められた。





「お互い恋愛頑張ろうね〜♪」



「ちょっと、華恵!?」





いたずらな華恵の笑顔に見送られて更に焦りながら、私は小走りで1班の列に向かった。








何となく、華恵にバレてる…!?








「おお、井上!遅いぞー。トロいから置いてくところだったな」



「ごめんごめん。じゃあみんな、出発するよ〜」






1班の列に行くと、新井が手招きで迎えてくれた。





憎まれ口は相変わらずだけど、その口調に穏やかさを感じた。





持って帰る荷物のほとんどを持ってくれた新井に感謝をしながら、私は軽やかに下山の一歩を踏み出した。











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