そう考えた途端、私の目からまた涙がこぼれた。







涙で話せなくなりそうだったけど、私はぶつかった人がいたことと、その人は隣に女の子を連れていたことをゆっくりと美奈に話した。






「まあ…、あくまで仮定の話だから。ぶつかった人が中原に届けてくれたかどうか分かんないじゃん。決めつけちゃダメだよ」




「でも……」




「うん…、でも、ココにいたことだけは間違いなさそうだね。『ありがとう』と『頑張れ』か。ソイツはさおりのこと、忘れてないと思うよ」




「美奈…、私、これがあるから優祐のこと忘れられないと思って……。捨てようと思って……。前に進もうと思って……」




「中原に告られたから?無理して忘れる必要なんてないじゃん。中原が何言ったかまでは知らないけど、誰かに告られても、例え彼女がいたとしても好きなんでしょ、ソイツのこと。だったら持っていればいい」




「美奈ぁ……」






また涙があふれてきて、流れていく。





泣いても泣いても、涙は一向に止まらない。






涙は一体何リットルつくられるんだろう…。










美奈はそんな私の背中を優しくさすりながら、静かにコーヒーを飲んでいた。








そして、私達の元に中原くんとサンタが合流した。