「うん。でも新井は断ったって。山田さん、結構可愛いのにね。他にも何人か告られてるのに、全部断ってるんだって」
「あ……、そうなんだ…」
あれ?
不安な気持ちが取れていく気がする。
そして、心のどこかでホッとしている私がいる。
私、どうかしてる…?
いや!
それよりも、あんなヤツの表面に騙されてる女子がどうかしてる。
そうだよ。
私は新井のカッコイイ表面には騙されない!
そう決めたんだから!!
サッカーやってる新井が、新井の全部じゃないじゃない。
私は裏の『悪新井』も全部全部知ってるんだからね!
こんな、サッカーに興じている新井のことなんて……
私は、まだまだサッカーを続けている新井達の方に目を向けた。
…そういえば、新井がサッカーをしてるトコなんて、初めて見る気がする。
しかも、新井がサッカー部であることすら知らなかったわけだし。
よく見てみると、授業の時よりも、休み時間の時よりも、すごく生き生きした顔している。
…ホントにサッカーが好きなんだ。

