改訂版・時間よ、止まれ。


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「そっかぁ〜、キスしちゃったんだ〜、ついに!」



「でも華恵、しばらく補習休んでたよね?報告してとか言っておきながら…」



「ちょっと家族旅行……と、ミツルくんとのデート♪ってとこかな」



「えー!?デートで補習サボるなんてナシだよー」



「1回だけだし。それに勉強はミツルくんに教えてもらってるから、いいの!」



「そういう問題!?」








8月に入って初めての週末。





私と華恵は二人で買い物をするために街までやってきた。






「いや〜、でもうらやましい!私も早くミツルくんとチュー♪……なんてね」



「また妄想ふくらんでるね」






アーケード街を歩いているから、日差しはそれほど届かないけれど、真夏の暑さは尋常じゃない。





私はハンドタオルで顔からしたたる汗をふいた。






「あっ!!ちょっとさおりストップ!」



「今度は何?」



「これ、かわいくない?」






いきなり華恵が見せてきたのは、淡いピンクですそにフリルがついているチュニックだった。






「あー、確かにかわいいね。また市川くんとデート?」




「まあそんなとこ。ほら、8月の終わりにいつも夏祭りあるじゃん?ミツルくんと行こうと思って、二人で浴衣着ようよって誘ったんだけど、ミツルくん、浴衣持ってなくて、洋服ならいいよって……」







華恵はチュニックのデザインを確認しながらふくれ気味にそう話していたけど、何となく嬉しそうな気持ちは伝わってきた。